高知市で宮崎県の地上波は受信できるか?
非常に面白い受信報告を見つけた。
タイトルの通り、宮崎市内で高知県の地上波放送を受信したというのだ。それも高知県西部の中継局だけでなく、高知親局の受信にも成功している。受信地と親局との距離は270㎞で、”超”遠距離受信の一つといえる。ただ、この記事の執筆者であるTrueさんが指摘するように、ラジオダクトなどによる異常伝播の可能性はあるため、常時受信可能かは別途調査が必要であろう。しかしながら、民放の数が2つで”九州地方で最悪”と言われる電波事情を抱える宮崎県民(特に宮崎市民)にとっては希望の光となるかもしれない。
引用元:
やはりこの記事を読んで思うことは、「逆はありえないのか?」ということである。つまり、「高知市で宮崎県の放送局が受信できないか?」。
早速、宮崎親局の出力と周波数を確認する。送信所は鰐塚山(標高:1118m)の山頂付近にある。
放送局名 | ch | 出力 | |
1 | NHK総合・宮崎 | 14 | 1kW |
2 | NHKEテレ・宮崎 | 13 | |
3 | UMKテレビ宮崎 | 16 | |
6 | MRT宮崎放送 | 15 |
お察しの良い方であれば、既に諦めの気持ちが湧くであろう。なぜならば、13、15は高知親局の物理チャンネル、また16は安芸中継局のそれと被っているからである。仮に高知市内の沿岸部を受信地とした場合はこれらの電波を受信するであろう。要するに、鰐塚山からの電波が届いているかを調査するならば、NHK総合・宮崎(14ch)にのみ当たりをつけるべきである。悲しいことだが、既にこの時点で宮崎県の民放局の受信可能性はほぼ絶たれてしまう。
次に、距離と地形を検討する。鰐塚山から高知市まではおよそ290㎞。鰐塚山から送信された電波は、障害物がほとんどない日向灘、そして途中四国南西部の山地を通過する。距離と地形条件から鑑みても、受信可能性はかなり低いと言わざるを得ない。
以上より、高知市内での宮崎親局の受信は極めて難しいように思える。だが、宮崎市で高知親局が受信できたことは、宮崎市民以外の市民の”福音”となることを願ってやまない。
と、ここで終わらせても良かったが、宮崎県内の中継局の可能性も一応探っておく。親局についで受信可能性があるのは、延岡中継局である。標高251mの愛宕山の山頂付近に送信所が設置され、県北部を対象地域としている。標高・出力は親局に劣るものの、物理chの被りはなさそうである。また、高知市までの距離はおよそ200㎞と相対的に近い。だが、途中高知・愛媛県境の1000m級の山地を通過するため、そもそも電波が届いていない可能性が高い。
放送局名 | ch | 出力 | |
1 | NHK総合・宮崎 | 46 | 100W |
2 | NHKEテレ・宮崎 | 45 | |
3 | UMKテレビ宮崎 | 43 | |
6 | MRT宮崎放送 | 41 |
以上高知市内での宮崎波受信可能性を検討したが、結論として「やはり困難」としたい。
~さらに追記~
たとえ高知市内でUMKが受信できたとしても、プライムタイムで恩恵が受けられるのは、月曜21・22時台、火曜22時台のテレ朝系列のドラマ(しかも時差ネット!)を視聴できることくらいであろう。