福井で在名局は受信可能?

福井県鯖江市でCBCとTVA受信」したという興味深い記事を見つけた。

http://jg2usl.blog24.fc2.com/blog-category-6.html

 

福井県といえば民放が二つしかない民放過疎県の一つだ。そのため、石川県や関西圏の電波を受信することで補完するケースが目立つ。だが、福井県で名古屋のテレビ局を受信するというのはあまり聞かない話だ。福井県と愛知県との距離は100㎞を越え、途中には1000m台の山々が連なり、電波は到達しづらいからだ。

 

今回愛知県の瀬戸デジタルタワー(TVAは1kW、それ以外は3kW)でシミュレーションをする。※↓CBCテレビ(18ch)

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どうやら瀬戸の電波は福井平野には直接到達しているわけではないようだ。おそらく山岳回折により届いたものと思われる。

 

ただ、非常にもったいないことに地元の福井局と在名局の周波数はほとんど被っている。もちろん福井県にないTBS系列のCBCテレビテレビ東京系列のテレビ愛知が受信できれば万々歳なのは間違いない。だが、FBCがANNとNNNのクロスネットという特殊事情も考慮すれば、メ~テレと中京テレビも見たいというのが素直な感想だろう。

 

こうして今まで各地の送信所の到達エリアを算出していますが、やはりシミュレーションばかりではなく実際に調査することが大事ですね…

青森県で県外局受信を考える_秋田編

北海道、岩手と続いて今回は秋田県秋田県青森県と同様民放3局体制だが、

青森:日テレ、TBS、テレ朝系列

秋田:日テレ、フジ、テレ朝系列

となっている。そのため、青森県秋田県のフジテレビ系列であるAKT秋田テレビが受信できれば大変に好都合だ。とりわけ北海道、岩手の放送局を受信しづらい津軽地方においては秋田局の受信可能性を探ることになろう。

 

さらに、青森市を除く津軽地方には県外局を再送信するCATVが存在しない。それ故に、秋田局直接受信の必要性が高まるものの、県境付近は山がちな地形のため電波の到達が阻害されているのが現状のようだ。

参考:https://twitter.com/oneseg_d/status/1209062901811531776

 

ここで秋田送信所(1kW)のシミュレーションをする。

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県境の山岳地帯により青森県内に電波はほとんど到達していないことが示された。

ただ、青森県日本海側の地域ではアナログ時代から秋田局を受信するケースが知られている。深浦町で秋田にアンテナを向けた民家をいくつか確認できた。

参考:https://twitter.com/oneseg_d/status/906150904713289729

 

また、五所川原市に南接する鶴田町では秋田局と山形局の回折波が入ったとの報告もある。大変興味深い考察をなされているので、是非お読みください。

http://blog.livedoor.jp/aomori226/archives/52115954.html

 

今回の本質情報:

(やはり、目の前に山があるからといって受信を諦めてはいけないんだなあ…)

青森県で県外局受信を考える_岩手編

続いて岩手編。以前八戸市を訪れた際に、地元局さながらのレベルで二戸局が受信できたのには驚いた覚えがある。

 

それもそのはずで、二戸中継局は折爪岳という標高850m台の山に設置されており、出力も100Wとそれなりに高く、八戸市街地まで30㎞程度でかなり近い。

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上図のように、青森県の太平洋沿岸地域には比較的到達していることが示された。フジテレビ系列がない青森県にとって、岩手めんこいテレビを何としてでも視聴できる環境にしたいだろう。

 

ただ、地元ケーブルテレビ局で岩手県の放送局を再送信しているのは少数派のようである。

参考:https://twitter.com/oneseg_d/status/1209062901811531776

 

青森県東部にお住まいで現状としてフジ系列が見られない場合、二戸局を狙うのも良いかもしれない。

青森県で県外局受信を考える_北海道編

今まで私は高知県を中心に県外局の受信可能性について考えてきたが、今回は高知県と同じく民放3局の青森県を事例に考えたい。

 

青森県ではアナログ時代から隣県の電波を受信して、フジ・テレ東系列を補完してきた経緯がある。具体的には、青森市や県北部で函館局を、八戸市で二戸局、県西部で秋田局である。まずは、函館局について検討したい。

 

実は、青森市においてケーブルテレビに加入すれば、北海道の放送局を見ることが出来る。それ故、直接波受信の必要性はあまり高いとはいえない。しかしながら、再送信されていないHBCSTVHTBを見たい県民にとっては依然重要度は高い。

 

それでは、早速函館局でシミュレーションをする。

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実際には南方向には電波が飛ばないように指向性がかけられている。そのため、現実的に到達している電波強度は上図よりも弱いものとして考えてほしい。また、県内の上北局と一部周波数が被っており、フジテレビ系列のUHB北海道文化放送が受信できない地域もあることだろう。

 

ただ、電波到達が見込まれる青森県内において、函館方面に特に障害物がなく、県内局の被りがなければ受信は難しいわけではなさそうだ。(これらの条件を揃わせるの困難なのだが)

 

私は青森県での遠距離受信事情に詳しい方ではないので、是非こちらの方のブログも参照していただきたい。青森市で山岳回折を狙うという非常に興味深い調査などをなされている。

http://blog.livedoor.jp/aomori226/archives/52119239.html

福島県でとちテレ受信は可能か

以前福島県会津地方におけるスカイツリー受信について考察をしたが、今回は栃木県のとちぎテレビ受信について検討したい。

 

まず宇都宮タワー(100W)でシミュレーション。

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やはり福島県境を越えると受信可能性は低下し、会津地方はおろか中通りですら受信は厳しそうだ。そして何よりとちぎテレビ(29ch)は、KFB福島放送(29ch)と被っているため、宇都宮タワーの電波到達を実証するのは事実上不可能である。つまりとちぎテレビを狙うのであれば、29ch以外を使用する栃木県内の中継局を探す必要がある。

 

そこで、有力な候補として挙がるのが那須高原中継局(10W)である。この局は、栃木・茨城・福島県境付近に聳える八溝山の山頂付近(標高約880m)に設置されている。比較的最近の2013年に開局したこの局は、栃木県北で生じた矢板中継局と白河中継局との混信による受信障害を解消することを目的としているという。そのため、使用しているのは33~52chと他の中継局ではあまり使われていない周波数帯である。

 

早速シミュレーションしてみると、

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スカイツリーや宇都宮タワーと比べれば、かなりの強度で中通りにも到達していることが示された。とちぎテレビ(41ch)の周波数は県内局と被っているのは僅かなので、受信可能性は非常に高いと思われる。また、同様にテレビ東京(52ch)も受信可能性は高いといえる。

 

ちなみに総務省が公表している「公式」エリアは当然栃木県内で収まっている。おそらく西方への強い指向性がかけられていると推測される。(私のシミュレーションでは特に指向性についての設定はしていない)

https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/bc/digital/menkyo/tochigi/nasukougen.pdf

 

関東周辺各県において「静岡東部でtvk」はそこまで珍しい話ではないが、「福島でとちぎテレビ」はあまり聞かない。福島県のDXerたちの今後の調査に期待をしたい。

JRTでもいいから県外局を見てみたい!

さて高知市内で愛媛県香川県の放送局を直接受信するのは事実上不可能だということがわかったところで、残りの四国の県・徳島県の放送局の受信を検討する。

 

ただしよく知られているように、徳島県には日本テレビ系列の四国放送しか民放局がない。これは3局の高知県よりも少ないが、関西や岡山・香川など隣県の電波が受信しやすいほか、全県ネット環境が整備されているので実はあまり困っていないらしい。

 

まあJRTであっても高知市で直接受信できれば、面白くないなんてことはないだろう。まず徳島局のシミュレーションをしてみる。

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当然予想通り高知市内に電波は到達していない。ただ、剣山山頂では強めに電波が来ているので、土佐市辺りでは回折波が受信できる可能性はある。(調査に行きたい)

 

続いて高知市から比較的近い徳島県西部で最大出力の池田中継局でシミュレーション。

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こちらも高知市内には到達していないことがわかる。ただ、梶ヶ森山頂には到達していると示された。確かに、2013年8月の調査では四国放送(31ch)、NHKEテレ徳島(40ch)、NHK総合・徳島(34ch)が受信できた。

 

四国山地は我々の想像以上に大きな壁として立ちはだかっている。どうやら高知市民が県外局を受信したいとなったら、ひたすら32号を北上して梶ヶ森山頂に行くのが良さそうだ。いやいや南風に乗って岡山に行く方が早いかもしれない。これは個人のお好みにお任せする。

高知市で愛媛朝日はやっぱり無理?

結論から先に述べると高知市内で愛媛朝日の直接受信するのは、文字通り天地がひっくり返らない限り無理だろう。

 

まず松山局(1kW)でシミュレーションをしてみると、

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やはり電波は四国山地に遮られ、高知県境にすらほとんど届いていない。しかも愛媛朝日(17ch)は、高知放送(17ch)と被っているため事実上松山局の受信は不可能だ。

 

次に新居浜中継局(300W)

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出力は松山局よりも劣るが、距離は近く愛媛朝日(51ch)の周波数は県内各局との被りがなく好条件だ。ところが、こちらも松山局と同様に高知県境にすらほとんど届いていない。それほど四国山地というのは、電波をブロックする強力な厚い壁なのだ。

 

おまけで高知市から50㎞以内にある小中継局・美川中継局(3W)でやってみると、

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やはり県境でブロック。隣県とはいえ愛媛県の壁は厚い...(以前美川中継局でシミュレーションしたときは、出力を間違えていたようで異常に到達エリアを広く見積もっていた模様…)

 

「島原で北五ヶ瀬受信」と同じ感じで「高知で愛媛の中継局受信」できればいいのだが...現実は大変に厳しい。