釜山で福岡波が受信できないのは何故?

釜山では九州との距離が近いということもあり、インターネット普及以前は日本の地上波放送の遠距離受信が割と盛んだったようだ。

 

地上デジタル放送が始まった2000年代以降も、ネット上ではワンセグでの受信報告が散見される。

 

以下のブログでは、釜山で長崎・福岡・山口の地上波デジタル放送の受信に成功したとある。

http://seoul02.blog100.fc2.com/blog-entry-55.html(投稿日時:2010年6月)

 

ところが、私が実施した調査(2018年8月実施)では長崎・対馬中継局しか受信できなかった。何故私の調査では福岡波及び山口波は入らなかったのか。

https://twitter.com/oneseg_d/status/1035478865454366725

 

第一に考えられるのは、韓国国内の地上波放送中継局の新規開局により周波数が被ってしまっていることである。対馬・福岡・下関局の物理chは以下の通りだ。(〇は釜山で受信可、×は受信不可)

対馬:NHKG36〇、NHKE49×、NBC28〇、NIB45〇、NCC52×、KTN20〇

福岡:KBC31×、NHKE22×、NHKG28×、RKB30×、FBS32×、TVQ26×、TNC34×

下関:NHKG16×、NHKE13×、tys18×、KRY20×、yab26×

 

ここで、http://map.kbs.co.kr/map.jspから釜山市街地で利用可能(と思われる)送信所とその周波数を確認した。すると以下の通りにまとめられた。

 

荒嶺山送信所:1TV13(51)、2TV15(55)、EBS17(53)、MBC16(54)、KNN14(52)

天馬山:1TV42、2TV43、EBS50、MBC48、KNN49

東メ山:1TV19、2TV22、EBS35

万徳:1TV22、2TV36、EBS40、MBC47、KNN48

萇山:1TV26、2TV28、EBS30、MBC31、KNN29

機張:1TV31、2TV40、EBS35、MBC34、KNN32

※いずれも日本の物理chに直している。日本の物理ch≒韓国の物理ch-1

※()内のchはUHD(日本でいう4K放送)

 

確かに、これらの周波数をみると現状として釜山での福岡・山口波の受信は混信により困難であるといえる。むしろ釜山で対馬局の一部が受信できるのは、たまたま地元釜山局の周波数と被らなかった”奇跡”によるものが大きいのかもしれない。