47都道府県を最速でめぐるには?

 日本には,1都1道2府43県,合計すると47の都道府県が存在する.その始まりは,1871(明治4)年に行われた廃藩置県だが,当初は3府302県を数えた.その後徐々に統合が繰り返され,1890(明治23)年には現在の数に落ち着いた.1945(昭和20)年から1972(昭和47)年までの米国による沖縄統治時代を除けば,実に100年以上もこの「47都道府県」という表現に慣れ親しんできたというわけである.

 

 ところで,一生のうちに私たちはいくつの都道府県を訪問することになるのだろうか.以下のサイトによれば,平均18.9県だという.もちろん,これは学術的な確証があると必ずしもいえないが,筆者の個人的感覚に即しても納得できる数字である.

kunitori-jp.net

 

 それでは,もし今から47都道府県をすべてめぐるとしたら,どのような経路が考えられるだろうか.様々な考えがあることだろう.例えば,自分のキャンピングカーで全国を長い時間かけて隈なく楽しむ,青春18きっぷを使ってのんびり鈍行列車に乗る,新幹線や飛行機を駆使して爆速で周る,などなど.ここで私はこんなことを思った.

 

「そんなにゆっくりしてられないよ.もっと効率よく周れないのか? 最速の経路を知りたいんだけど.ちなみに俺,車の免許持ってないよ.体力には自信あるけどね~」

 

 簡潔に言えば,「47都道府県を鉄道・飛行機のみで最速でめぐる経路」は何か,という疑問である.ここで,この疑問に立ち向かった二人の先人を紹介する.

 一人目は,三納物語氏である.氏は,東京を出発地として,鉄道,タクシー,飛行機を使い,79時間かけて全都道府県をめぐった.経費は50万円以上もかかったといい,後に紹介するたけちよ倶楽部氏も指摘するように,効率的なルートとは決していえない.(先駆者としては大いに尊敬に値する)

 

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 二人目は,たけちよ倶楽部氏である.氏は,三納物語氏の挑戦に言及しつつ,より効率的なルートを模索し,それを実践した数少ない貴重な人物である.その際に彼独自のルール(「その土地に接地したら,訪問したことにする」,「移動手段は特に問わない(車,鉄道,飛行機などすべてOK)」など)を定めている.筆者も基本的にはこれに倣うことにする.

 氏は,四国や南九州など鉄道でのアクセスが悪い地域では,レンタカーを使用している.確かに,「最速で」「効率よく」周るためには,非常に有用だといえる.ところが,これは運転免許を保持しない者にとって,ネックとなり得る.そこで,自動車の利用を含まずに,鉄道・飛行機などの公共交通機関のみで周るとしたら,どのような経路が考えられ,どのくらいの時間・費用がかかるのだろうか.

 

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 次回以降,以上の事柄について考えていきたい.お楽しみに.